コミック 電波教師 第3巻
自分にとって本当にやりたいこととはなんぞや。そんな哲学的な問答にひとつの答えが出たようで、それがまたなんとも世間の常識とは正反対の問題発言に心震えてしまいました。正にこれぞYD教師鏡純一郎らしい低迷する現実への挑戦状とも言える素晴らしき宣言でした。
「そもそも教師というのはちゃんとした社会の構成員(世間の常識に無条件で従うような人間)を育成するのが仕事なんだから、あなたには勤まらないわ」ということをかつて高校の同級生だった大和刀祢に純一郎は問いかけられます。その後のやりとりを見ている限り、純一郎は普通の教師として生徒を指導することに言いようのない違和感を感じていたようです。
「面白いことを楽しむには、自分の気持ちを一番大事にしろ。誰かの言う通りにしたり、言われたからやるとかじゃ、楽しむものも楽しめない」これは純一郎が施設に見学に来た無響零子を窘めるつもりで言った台詞でした。実際のところ、これによって零子は本来の自分を取り戻すきっかけをもらいました。しかし、それがそのまま彼自身への問いかけになるとは夢にも思っていなかったでしょう。
そんな紆余曲折を経て結論に到達した純一郎の宣言に自分は身震いしたのであります。「生徒全員自主退学」学校なんかにいってられないほど面白いことやりたいことを自主的に見つけさせることで全生徒を辞めさせる、そんなとんでもない宣言をかましてくれたのです。
その後も純一郎の行動は絶好調で、ルーチンバスターなる携帯アプリを作成することで当たり前とされる常識(テスト)をぶち壊しました。そこからの彼の発言には痺れるし憧れざるをえませんでした。自分の本当にやりたいこととは何か、それを現在目指しているにせよ、探しているにせよ、目の前で障害となる試験勉強に掛かる負担を最小限にすることで、未来のなりたい自分を目指すべきだ、というような爆弾発言をしました。
そもそも学校というところはいろんな知識を教えてはくれますが、それがどのように役立つのか、それをどのように役立たせるのか、そういう学ぶことの根本的な部分には応えてくれません。最も、純一郎が言うように学校の教師はもちろん、世間の大人達は子供の将来に関して責任を取ってはくれません。自分自身の責任は自分で背負う、その代わり頑張ろうとする子供には最大限のサポートを用意する。これこそ理想の学校とも言えそうな実にワクワクさせる引きで次回に続くようなので、これからの展開にも大いに期待したいところであります。


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