氷菓 第21話 手作りチョコレート事件
チョコレートだけにスウィートビターな味わいのほろ苦さを感じさせるお話でした。事件の当事者にしか判り得ない複雑な心理が、特に今回は赤裸々に描かれていました。
摩耶花の性格は中学時代からあまり変化がないようで、常に直球勝負で体当たりしていき、失敗しても負けず嫌いの気持ちを更に上乗せして頑張ろうとしています。これは彼女の個性であって良いも悪いも無い訳で、如何にも摩耶花らしい素直さが前面に出ていたと思います。
そこへいくと中学の頃から性格が変化した里志を見て、奉太郎は少し感心したようです。変化と言えば、ちーちゃんにも奉太郎への恋愛感情が芽生えつつあるかのような素振りを見せはじめています。それと、感情面でも自分の気持ちをぶつけるようになってきました。きっと氷菓事件の影響(アイスクリームの衝撃)が大きいのでしょう。あれからちーちゃんは時折無意識に自己主張をするようになっています。
今回の事件でもまるで自分のことのように心配するあまり感情が暴走したちーちゃん。不安に思っていることは溜め込まずに自ら叫ばなければならない、まるでそんな暗示にも罹っているかのような彼女の必死な行動は見ているこちらが心配になるほどです。しかし、そんな彼女の必死なまでの態度を見たからこそ、奉太郎はため息混じりながらも事件解明に乗り出したのだと思います。


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