氷菓 第17話 クドリャフカの順番 ( その3 )
18話はなんていうか生き抜き回のような感じでしたので、とりあえず今回も17話に関して思いついたことをつらつらと話しておこうと思います。
里志が言う「自分に自身がある時は、期待なんて言葉をだしちゃいけない。期待って言うのは諦めからくる言葉なんだよ」、この台詞は胸にズシンときました。よく雑誌掲載の漫画が終了したときに「先生の次回作にご期待ください」なんてテロップをよく見かけますが、これもそうなのかな、なんて思ってしまいます。つまり「残念ながら今回は思うほど成功しませんでしたが、次回作ではきっと素晴らしい人気作なってもらうことを(編集部が)期待してます」という風にも読み取れるのではないかと。まあ、これは単なる深読み程度の仮説にすぎませんが。
そして、期待するからにはそれに応えるもらいたい相手が存在する訳ですが、十文字事件を起こしてまでお膳立てしたにも関わらず、当の本人には暗号の意図に気づいてもらえませんでした。これが実現すれば間違いなく凄いことになる(と犯人は思っていた)のに、当人にとっては変な事件があった程度の認識で済まされてしまいました。本人に直接いえないもどかしさもそうですが、もしかしたら、という一縷の望みが事件を通して、やはりそんなもの最初からありはしなかったのです。如何に人生というものが個人の描くシナリオ通りに事が運ばないかが今回のことでよく判りました。
最後になんとか文集を完売したい、その一心でわき目も振らずに頑張ったちーちゃんについて一言。今回はいろいろと空回りしたことで無理し過ぎていたような気がします。入須先輩も指摘してましたが、裏表のない性格の人間に、言葉巧みに相手を意のままに操るというのは向いてないです。真っ正直さというのは良くも悪くもちーちゃんの個性なので、彼女にはその方面で成長してもらいたい。だからこそ入須先輩はちーちゃんに「自分に無理してまで別の何者かになる必要はない」というアドバイスをしようと思ったのでしょう。それはともかく、なんやかんやで文集が完売したことには安堵しています。


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