涼宮ハルヒの憂鬱 改 涼宮ハルヒの溜息 Ⅴ
序盤から中盤に掛けてはハルヒのウザさ全開にうんざりさせられ、終盤は禅問答めいた言語明瞭意味不明な説明に頭がこんがらがりました。結局のところ何がしたかったのかがはっきりしないまま、初期の設定を意味ありげに振りまいてみたものの、そのまま投げっぱなしで終わらせてしまいました。
同じ謎掛けするにしても、原作とは違うもっと判り易い言葉で話を展開してもらいたかったです。せっかく複雑怪奇なSF設定が受けていたのですから、未来人、宇宙人、超能力者、それぞれの物の見方、考え方の片鱗だけでなく、具体的な目的や思想というものを見せてくれてもよかった気がします。最初の頃ならまだしも、ある程度キャラの個性がはっきりと映し出されている段階では、もう少し核心に迫る話をしてもらいたかったです。結局溜息では過去に使用した風呂敷を再び広げてはみたものの、それ以上の価値を全く見出せなかったのが最大の問題だったような気がします。なんの根拠もない仮定の話ばかりをされても困ってしまいます。
そうそう、みくるの冒険で演出された数々のギミックはキョンとハルヒが寝てる間に何者かの手によって仕上げられてしまいました。一体誰の仕業なのか、未来から来た大人版みくるか、それとも長門が現実を超越したスーパーインクレディブルパワーを発揮してしまったのか、なんにせよ一般人の能力では実現不可能ということだけは確かなようです。
今回まで放送した溜息シリーズは原作通りを選択しただけで、完成度としては割と普通な出来栄えだったのではないかと。エンドレスエイトにおけるとんでもない失態を演じたことに比べればまだマシなのかもしれません。しかし、いくら原作通りであったとしても、シナリオとして物足りないと思える内容まで再現することはないでしょう。ともあれ、今回改めてで放送された新作の大半は、これまでの京アニが作ってきた実績に比べると、満足には遠く及ばない内容だったとしかいいようがありません。


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